
結論から言うと、韓国人観光客の集客で成果が出ない主因は「情報発信の場所」と「市場の実態」のズレにあります。日本語ページを韓国語に翻訳しただけで満足し、韓国人観光客が実際に情報を探す場所や来店の決め手まで踏み込めていないケースが目立ちます。本記事では、集客がうまくいかない3つの壁を整理したうえで、訪日韓国人観光客数の推移や人気の旅行先傾向を公表データで確認し、NAVER・SNSでの情報発信や韓国語対応の接客体制づくりなど、飲食店・宿泊施設・商業施設が今日から取り組める具体的な打ち手を業種別に解説します。
韓国人観光客の集客がうまくいかない理由|市場を理解できていない3つの壁
図: 韓国における検索エンジンシェア(出典: StatCounter GlobalStats)
結論から言うと、韓国人観光客の集客がうまくいかない最大の要因は「情報発信の場所」と「市場の実態」がずれている点にあります。日本語ページを韓国語に翻訳しただけで満足し、韓国人が実際にどこで店舗情報を探し、何を基準に来店先を決めているかまで踏み込めていないケースが多く見られます。ここでは、韓国人観光客の集客でつまずきやすい3つの壁を整理します。
韓国語での情報発信ができていない
多くの店舗は「多言語対応サイト」や「Googleビジネスプロフィールの韓国語表記」を用意した時点で対応完了と考えがちです。しかし韓国国内の検索環境は日本と異なります。韓国におけるGoogleの検索エンジンシェアは49.54%である一方、Naverも40.9%のシェアを保っています。
つまり、Googleだけを見た情報発信では、韓国人観光客の検索接点の4割近くを取りこぼしている可能性があるということです。来日前の情報収集をNaverのブログや検索結果で行う層に情報が届いていなければ、そもそも比較検討の候補にすら入れません。自店がNaver上でどう見えているかは、無料のNAVER検索診断で具体的に確認できます。
韓国人観光客数・増加/減少の実態を把握できていない
「円安も落ち着き、韓国人観光客は減っているのでは」という印象を持つ経営者もいますが、直近のデータは異なる実態を示しています。2026年1〜3月累計の韓国からの訪日外客数は3,058,100人(前年同期比+22.0%)で、月別でも1月1,176,089人(+21.6%)、2月1,086,400人(+28.2%)、3月795,600人(+15.0%)と増加が続いています。
さらに2026年7月の訪日外客数は全市場合計3,442,100人(JNTO推計値)と7月として過去最高を記録し、韓国を含む17市場が同様に7月として過去最高となりました。感覚的な印象で「減っている」と判断し、集客の優先順位を下げてしまうこと自体が機会損失につながります。
韓国人に人気の理由と行先傾向のズレ
韓国人観光客は地理的な近さから短期・高頻度のリピート旅行が多いという特徴があります。この旅行スタイルの違いを踏まえずに、日本人観光客や欧米圏の観光客と同じ訴求軸(定番の観光ルート紹介など)をそのまま当てはめてしまうと、リピーターが本来関心を持つ切り口とずれた発信になりがちです。
何度も来日している層ほど、定番スポット以外の体験や地域性を重視する傾向があるため、「なぜ選ばれるか」を自店の商圏に即して見直す必要があります。この行先傾向・関心のズレを把握できていないことが、3つ目の壁です。
韓国人観光客数の推移と日本が選ばれる理由
図: 2026年1〜3月 韓国からの訪日外客数推移(出典: JNTO(日本政府観光局))
図: 韓国と全国籍計の前年同月比伸び率比較(出典: JNTO(日本政府観光局))
行先傾向のズレを解消する前に、まず市場の実態を数字で押さえておきましょう。増加も減少も感覚ではなく、公表データで確認することが出発点になります。
訪日韓国人観光客数の推移|増加・減少の背景を数字で見る
2026年の韓国からの訪日外客数は、1月が1,176,089人(前年同月比+21.6%)、2月が1,086,400人(同+28.2%)、3月が795,600人(同+15.0%)と推移し、1〜3月の累計は3,058,100人、前年同期比+22.0%となりました。同時期の全国籍計の累計は10,683,500人(同+1.4%)であり、韓国市場の伸び率は全体平均を大きく上回っています。為替や日韓関係など外部要因で月ごとの増減幅は変わりますが、直近は各月とも前年を上回る状態が続いている点がポイントです。2026年7月の訪日外客数(全市場合計)は3,442,100人で、7月として過去最高を更新しました。このとき7月として過去最高を記録した市場は韓国を含む17市場にのぼり、韓国からの需要が夏場も底堅く推移していることがうかがえます。「増えているのか減っているのか」を月次の印象だけで判断すると、繁忙期の見立てを外す原因になります。
韓国人に人気の旅行先傾向|大阪・温泉地・自然を楽しむ層
韓国人観光客の旅行先選びは、東京・大阪といった定番エリアだけにとどまりません。短期・高頻度で来日するリピーターが多い韓国市場では、温泉地や自然を楽しめる地方エリアへの関心も広がっており、都市部の観光・グルメと郊外での体験型コンテンツを組み合わせた旅程が支持されやすい傾向にあります。大阪は、食文化とエンターテイメントを短期間で効率よく楽しめる立地から、韓国人観光客にとって定番の目的地であり続けています。一方で温泉や自然を目的地に選ぶ層は、日本ならではの体験そのものを重視しており、宿泊施設や飲食店にとっては「韓国語対応」だけでなく「体験としての魅力」をどう伝えるかが集客のカギになります。自店がどちらの層に強みを持つのかを整理しないまま情報発信を行うと、関心を持ってもらえるはずの韓国人観光客層とズレた訴求になりかねません。
韓国人観光客を集客する具体的な打ち手
対策の方向性が見えても、実際に何から着手すべきかで迷う経営者は少なくありません。ここでは情報発信・接客体制・体験設計という3つの切り口で、着手しやすい打ち手を整理します。
NAVERとSNSでの情報発信を強化する
韓国人観光客への情報発信は、GoogleとNAVERのどちらを主戦場にするかで成果が変わります。韓国国内の検索エンジンシェアは、Googleが49.54%、NAVERが40.9%です(2026年7月時点)。両者が拮抗している以上、Google向けの発信だけではNAVER経由の検討層を取りこぼしかねません。
InstagramなどのSNSは拡散力に優れる一方、投稿はタイムラインに埋もれやすいという弱みがあります。対してNAVERブログは検索結果に残りやすく、来日前に店名で検索した旅行者の目に触れる機会を長く保てるのが特徴です(ただし掲載の継続を保証するものではありません)。役割を整理すると、次のようになります。
| 施策 | 得意なこと | 弱み |
|---|---|---|
| NAVERブログ | 来日前の比較検討層への情報提供、検索結果への残存 | 即効性のある拡散には向かない |
| Instagram等SNS | 認知拡大、ビジュアル訴求、拡散力 | 情報が流れやすく、検索での再発見が難しい |
自店がどちらの露出も持てていないなら、まずは現状を数値で把握するところから始めると判断しやすくなります。
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韓国語対応の案内・接客体制を整える
情報発信で来店・宿泊のきっかけを作れても、現地での案内が伝わらなければ満足度は上がりません。メニュー表や館内案内、予約導線への韓国語併記は、来店後の安心感に直結します。
全スタッフが韓国語を話せる必要はありません。注文・会計・トラブル時の最低限のフレーズを用意し、翻訳アプリや指差しシートで補う体制でも十分に機能します。重要なのは「韓国語の情報が一切ない」状態を避けることです。この状態は、来日前にNAVERやSNSで店舗を調べる段階での離脱にもつながります。
短期旅行・消費傾向に合わせた体験コンテンツを提供する
韓国人観光客は短期・高頻度の旅行スタイルでリピートする傾向があると言われています。限られた滞在時間の中では「その場でしか味わえない体験」が重視されやすくなります。
訪日外国人全体で見ると、一人当たり旅行支出は24.4万円で、前年同期比+3.3%と伸びています(2026年4-6月期、全国籍・全目的の値)。韓国単独の数値ではありませんが、体験や飲食への消費意欲自体は底堅いとみられます。
出典: 観光庁
飲食店であれば少人数向けの短時間コース、宿泊施設であれば温泉や地域体験とセットにしたプランなど、短い滞在の中で完結する体験を打ち出すことが有効です。自社に合う打ち手の優先順位で迷う場合は、無料相談で個別に整理することもできます。
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