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韓国インバウンド全般公開 2026.08.23・読了10

ホテル・旅館のインバウンド対策とは?訪日客集客の実践ポイント

山口 雄貴

山口 雄貴株式会社K-ASOKU 代表取締役

この記事でわかること

  • 訪日客数と宿泊稼働率の最新データ
  • 多言語対応や決済など基本施策5つ
  • 事業規模別の対策優先順位と海外比較
  • 韓国人観光客に効くNAVER集客の勘所
目次
  1. 旅館・ホテルのインバウンド対策、何から手をつければいいか
  2. 日本の訪日旅行需要はどれだけ伸びているのか|国内宿泊業界の現状データ
  3. 訪日外国人数の推移と宿泊施設の稼働率・前年比
  4. 旅館・ホテルが取り組むべきインバウンド対策の基本
  5. 多言語対応システムと予約サイトの整備
  6. キャッシュレス決済・多通貨対応の導入
  7. 外国語対応スタッフの配置と客室・館内サインの多言語化
  8. SNS・口コミサイトでの海外向け情報発信
  9. 宿泊需要拡大に向けた外国人向けプラン・体験コンテンツの設計
  10. 事業規模・ターゲット別に見るインバウンド対策の優先順位と事例(欧米・アジア比較表)
  11. なぜ今、韓国人観光客への対策が地域全体の観光集客力向上につながるのか
  12. 韓国人観光客の多くはNAVERで情報収集している
  13. 現地データとブロガーネットワークを活用した集客・運営サポートの仕組み
  14. まとめ:インバウンド対策は多言語対応と集客導線の両輪で
旅館スタッフが外国人観光客を出迎えている様子

結論から言うと、旅館・ホテルのインバウンド対策は「見つけてもらう集客導線」と「滞在中の受入体制」を同時に整えることが出発点です。訪日外国人数は2026年も高水準で推移する一方、客室稼働率は6月時点で56.2%、外国人延べ宿泊者数は前年を下回る月もあり、機会損失が起きやすい状況です。本記事では最新の訪日需要データをもとに、多言語対応や決済整備といった基本施策から、事業規模別の優先順位、韓国人観光客に効くNAVER集客の考え方まで、実践ポイントを解説します。

旅館・ホテルのインバウンド対策、何から手をつければいいか

結論から言うと、旅館・ホテルのインバウンド対策は「集客導線の整備」と「受入体制の整備」を同時に進めることが出発点です。多言語対応やキャッシュレス決済など受入面から手をつけたくなりますが、そもそも訪日客に見つけてもらえていなければ意味がありません。予約サイトや公式サイトの多言語化、SNS・口コミサイトでの情報発信といった集客施策と、館内サイン・決済・スタッフ対応などの受入施策は、どちらが欠けても機会損失につながります。まずは自施設がどの国・地域からの予約が多いか、あるいは今後増やしたいターゲットはどこかを整理したうえで、優先順位をつけて着手するのが現実的な進め方です。次章で最新の訪日需要データを見ながら、優先順位の付け方を具体的に解説します。

日本の訪日旅行需要はどれだけ伸びているのか|国内宿泊業界の現状データ

延べ宿泊者数の月次推移(日本人・外国人別)

図: 延べ宿泊者数の月次推移(日本人・外国人別)(出典: 観光庁 宿泊旅行統計調査(2026年5月・第2次速報、6月・第1次速報))

客室稼働率の月次推移

図: 客室稼働率の月次推移(出典: 観光庁 宿泊旅行統計調査(2026年5月・第2次速報、6月・第1次速報))

訪日外客数の月次推移(6月→7月)

図: 訪日外客数の月次推移(6月→7月)(出典: JNTO(日本政府観光局))

訪日外国人数の推移と宿泊施設の稼働率・前年比

日本政府観光局(JNTO)によると、2026年7月の訪日外客数は344万2,100人で、前年同月比0.1%増と7月として過去最高を記録しました。台湾からの訪日者数は単月で初めて70万人を超え、韓国・インドネシア・メキシコなど17市場が7月として過去最高となっています。特定の国・地域に偏らず、訪日需要の裾野が広がっている状況です。

一方、2026年1〜7月の累計では2,452万7,200人と、前年同期比1.7%減にとどまっています。月ごとの増減はあり、2026年6月は前年同月比6.8%減となった一方、7月は17市場が同月として過去最高を記録しました。単月ベースでは300万人台での推移が続いています。

宿泊業界側の数字も見ておきましょう。観光庁の宿泊旅行統計調査では、2026年5月の客室稼働率は61.0%、6月は56.2%でした。外国人延べ宿泊者数は5月が1,451万人泊(前年同月比9.0%減)、6月が1,251万人泊(同11.9%減)と、訪日客数の伸びに対してやや弱含みで推移しています。自施設の稼働率が全国平均と比べてどう動いているかを把握することが、インバウンド対策の出発点になります。

出典: JNTO(日本政府観光局)
出典: 観光庁 宿泊旅行統計調査

旅館・ホテルが取り組むべきインバウンド対策の基本

「何から手をつければいいかわからない」という声をよく聞きます。訪日客が離脱しやすいポイントは、予約前の情報収集から滞在中の体験まで複数の段階に分かれています。まずは全体像を把握し、自施設に足りない部分から着手するのが近道です。優先順位の目安を整理しました。

対策 主な目的 着手のしやすさ
多言語対応・予約サイト整備 予約前の離脱防止 低〜中(外部ツール併用で短縮可)
キャッシュレス・多通貨対応 会計時のストレス軽減 低(決済端末の追加導入で対応可)
外国語対応スタッフ・館内サイン 滞在中の安心感向上 中(採用または翻訳ツール併用)
SNS・口コミでの海外発信 認知獲得・予約導線の確保 中〜高(継続的な運用が必要)
外国人向けプラン・体験設計 客単価・満足度の向上 高(企画力とパートナー連携が必要)

多言語対応システムと予約サイトの整備

公式サイトや予約フォームが日本語のみの場合、訪日客は予約段階で離脱してしまいます。英語・中国語・韓国語など主要言語への対応が基本ですが、全ページを人力で翻訳する必要はありません。自動翻訳機能付きのCMSや、海外OTA(Booking.comやAgoda等)への客室連携から始める施設が増えています。まずは予約完了までの導線(検索・料金表示・決済)を多言語で一気通貫にすることを優先しましょう。

キャッシュレス決済・多通貨対応の導入

現金しか使えない施設は、訪日客にとって精算のたびにストレスになります。クレジットカードやQRコード決済(Alipay、WeChat Payなど)への対応は、決済端末の追加やPOSシステムの設定変更で導入できるケースが多く、比較的着手しやすい対策です。多通貨での料金表示や、両替所の場所を事前に案内するだけでも、滞在中の不安を減らせます。

外国語対応スタッフの配置と客室・館内サインの多言語化

フロント対応は多言語スタッフの採用が理想ですが、人材確保が難しい場合は翻訳アプリやリアルタイム字幕ツールでの代替も選択肢になります。あわせて、客室内の使用方法・館内の避難経路や禁煙表示などは、文字だけでなくピクトグラム(絵記号)を併用すると、言語に関わらず伝わりやすくなります。緊急時の案内は多言語化の優先度を特に高く設定すべき項目です。

SNS・口コミサイトでの海外向け情報発信

予約前の情報収集はSNSや口コミサイトに大きく依存しています。ただし、主要な情報収集プラットフォームは国・地域によって異なる点に注意が必要です。たとえば韓国人観光客の多くは、Googleではなく現地の検索サービス「NAVER」で施設情報を探す傾向があります。自施設がどの国をターゲットにするかによって、発信すべきプラットフォームも変わってくるため、まずは自施設の宿泊者データから主要な国籍を確認することをおすすめします。

気になる方は無料のNAVER検索診断で、自施設が韓国人観光客向けにどう見えているか確認できます。

宿泊需要拡大に向けた外国人向けプラン・体験コンテンツの設計

訪日客向けの体験コンテンツは、客単価向上に直結する対策です。2026年4-6月期の訪日外国人の一人当たり旅行支出は24.4万円で、前年同期比+3.3%と増加しています。着物体験や地域の食文化を絡めた宿泊プランなど、その施設・地域でしか得られない体験を用意することで、単価の高い層の取り込みにつながります。企画のハードルが高い場合は、地域の観光協会や旅行会社との連携から始めるのも一つの方法です。

出典: 観光庁 インバウンド消費動向調査(2026年4-6月期・1次速報)

事業規模・ターゲット別に見るインバウンド対策の優先順位と事例(欧米・アジア比較表)

インバウンド対策は、闇雲に全部盛り込むよりも、自施設の規模とターゲット国に合わせて優先順位をつけるほうが効果的です。観光庁の調査では、2026年4-6月期の消費額上位は米国・台湾・中国・韓国・香港の順となっており、国・地域によって旅行スタイルや消費単価は異なります(一人当たり旅行支出は全国籍平均24.4万円)。

自施設の規模とターゲット国別に、優先すべき対策を整理すると次のようになります。

事業規模 主なターゲット 優先度の高い対策 具体例
大規模ホテル・都市部 欧米豪 英語での多言語対応、OTA・口コミサイトの充実、体験コンテンツ設計 公式サイトの多言語予約フォーム、口コミサイトでの英語レビュー対応
中規模旅館・観光地 台湾・中国・香港 多言語サイン、キャッシュレス決済、SNS発信 SNSでの情報発信、現地決済サービスへの対応
小規模旅館・地方 韓国 NAVERでの情報露出、最低限の多言語対応 NAVERブログでの宿泊レポート露出、韓国語の館内サイン

欧米豪の旅行者はOTAや口コミサイトを比較検討の起点にする一方、韓国人観光客の多くはNAVERで宿泊先を探すため、Googleだけの多言語対応では候補に入りにくいのが実情です。自施設の主要ターゲットがどこかを見極めたうえで、投資の順番を決めることをおすすめします。

出典: 観光庁 インバウンド消費動向調査(2026年4-6月期・1次速報)

なぜ今、韓国人観光客への対策が地域全体の観光集客力向上につながるのか

多言語対応や決済環境の整備は、どの国の旅行者にも共通する土台です。

その上でどの国をターゲットに絞り込むかは、地域の観光集客力を左右する重要な判断になります。

なかでも韓国人観光客は、地理的な近さと高いリピート率から、地方の旅館・ホテルにとって現実的な集客対象です。

一方で、韓国人観光客向けの対策は、欧米豪向けの英語対応や口コミサイト対策とは前提が異なります。

検索行動そのものが違うため、既存の多言語対応だけでは候補に入りにくいという構造的な課題があるのです。

韓国人観光客の多くはNAVERで情報収集している

「多言語サイトを作ったのに、韓国人観光客からの予約が増えない」という声を聞くことがあります。

その原因の多くは、韓国人観光客の情報収集の入り口がGoogleではない点にあります。

韓国では、Googleではなく韓国発の検索エンジン「NAVER」が広く使われており、旅行先の口コミやブログ記事もNAVER上に集まる傾向があります。

つまり、公式サイトを英語・中国語・韓国語対応にしても、その情報がNAVER上に存在しなければ、来日前の比較検討の段階で見つけてもらえません。

これは欧米豪の旅行者がGoogleやTripadvisorで情報を集めるのとは異なる、韓国特有の検索行動です。

自施設が「多言語対応はしているのに韓国人観光客の反応が薄い」と感じている場合、対応言語の問題ではなく、情報を届けているプラットフォームそのものが違う可能性を疑ってみる価値があります。

現地データとブロガーネットワークを活用した集客・運営サポートの仕組み

NAVER対策の難しさは、国内の担当者だけでは現地の検索動向やブロガー文化を把握しにくい点にあります。

また、AIによる検索ボリュームの推定値は実際の現地データと乖離することがあり、それをもとに施策を組むと投資判断を誤りかねません。

K-ASOKUでは、NAVER検索広告APIによる実測データをもとに、自施設がどのキーワードで韓国人観光客に見つかりやすいかを調査した上で戦略を設計しています。

加えて、現地の韓国人ブロガーとのネットワークを活用し、NAVER上にブログ記事という形で情報を蓄積していく施策を提供しています。

韓国人ブロガーとのやり取り・翻訳・投稿進行は、当社スタッフが日々実際に行っています。

広告のように掲載期間が終われば表示されなくなるものとは異なり、投稿はNAVERの検索結果に情報資産として残り続けやすい点も特徴です(ただし恒久的な表示を保証するものではありません)。

契約前には無料のNAVER検索診断で、自施設が現状どのように検索結果に表示されているかを実画面で確認できるため、対策の要否を判断してから検討を進めることも可能です。

なお、韓国以外の国からの集客が主な目的の場合、K-ASOKUの支援は向いていません。その国に強みを持つ専門会社への依頼をおすすめします。

無料でNAVER上の自施設の現状を確認したい方は無料NAVER検索診断をご利用ください。詳しい支援内容はサービス詳細、個別のご相談はお問い合わせからどうぞ。

まとめ:インバウンド対策は多言語対応と集客導線の両輪で

まとめ:インバウンド対策は多言語対応と集客導線の両輪で

多言語対応や決済整備は、来館後の満足度を高める土台です。ただし、それだけでは客室稼働率は上がりません。予約サイトの多言語化やSNS発信で「見つけてもらう」導線と、館内対応で「満足してもらう」体制を、両輪で整えることが欠かせません。特に韓国人観光客はGoogleではなくNAVERで情報収集する傾向があり、一般的な多言語対応だけでは接点が生まれない点に注意が必要です。まずは自施設がどのチャネルでどう見えているかを把握するところから始めましょう。無料NAVER検索診断では、契約前に実際の検索画面で現状データを確認できます。取り組む対策の優先順位に迷う場合は、サービス詳細もあわせてご参照ください。

本記事の引用・転載は、出典(社名と記事URL)明記のうえ歓迎します

よくある質問

Q. 旅館・ホテルのインバウンド対策は何から始めればいいですか?
A. 訪日客に見つけてもらう集客導線の整備と、館内サイン・決済などの受入体制整備を同時に進めるのが基本です。自施設の予約データから優先順位を判断しましょう。
Q. 韓国人観光客向けの対策は他国と何が違いますか?
A. 韓国人観光客の多くはGoogleではなくNAVERで情報収集する傾向があり、NAVER上に店舗情報がなければ来日前の検討段階で候補に入りにくいとされています。
Q. 多言語対応はどこまで自社で対応すべきですか?
A. 予約完了までの導線(検索・料金表示・決済)を優先的に多言語化し、館内サインやスタッフ対応は翻訳ツールとの併用で段階的に整備するのが現実的です。

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山口 雄貴

株式会社K-ASOKU 代表取締役

山口 雄貴

韓国マーケティングの実務家。NAVER SEO・韓国KOLキャスティングを中心に、飲食店・宿泊・消費財メーカーの韓国向け集客を支援。実測データに基づく施策設計を信条とする。

本記事は、当社が実施したNAVER実画面の調査データをもとに山口 雄貴が執筆・監修しています。 記載内容は公開時点の情報です。

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