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調査データ公開 2026.08.13/更新 2026.10.04・読了7分

韓国の検索エンジンはNAVERかGoogleか|シェアが調査で割れる理由と、訪日客が店を探す本当の経路

韓国の検索エンジンはNAVERかGoogleか|シェアが調査で割れる理由と、訪日客が店を探す本当の経路
山口 雄貴

山口 雄貴(株式会社K-ASOKU 代表取締役)

この記事でわかること

  • 韓国の検索エンジンシェアが調査ごとに大きく割れる理由
  • 検索エンジンとしてのGoogleと、店舗探しで使われるNAVERの使い分け
  • 訪日韓国人が店を決めるまでの4段階と、意思決定を左右する段階
  • 日本の店舗が優先すべき対策と、この施策が向かないケース
目次(7項目)
  1. 韓国の検索エンジンシェアは、調査によって大きく割れる
  2. 検索エンジンのシェアより重要なのは「どの場面で使われるか」
  3. 訪日韓国人の情報行動は「発見 → 検証 → 保存 → 現地」の4段階
  4. K-ASOKUの運用実績から見えていること
  5. 日本の店舗が取るべき対策3つ
  6. この施策が向く店舗・向かない店舗
  7. まとめ

「Googleマップの評価を上げれば韓国人も来るはず」— これは訪日韓国人の集客でよく聞く前提です。ただし韓国の検索環境は日本と構造が異なり、この前提のままでは打ち手を外すことがあります。

一方で「韓国人はGoogleを使わない」という単純化も正確ではありません。実際のシェア統計を見ると、むしろGoogleが上回る調査結果もあります。本記事では、韓国の検索エンジンシェアの数字が調査ごとに割れる理由を整理したうえで、訪日韓国人が店を決めるまでの行動と、日本の店舗が取るべき対策を解説します。

韓国の検索エンジンシェアは、調査によって大きく割れる

まず数字から確認します。StatCounter GlobalStatsの「検索エンジン市場シェア(韓国)」(2026年7月)では、次のようになっています。

  • Google: 49.54%
  • Naver: 40.9%

出典: StatCounter Global Stats

この数字だけを見れば、韓国の検索エンジンの主役はGoogleということになります。一方で、韓国のマーケティング関連の記事では「NAVERが6割以上」と紹介されることも珍しくありません。同じ「韓国の検索エンジンシェア」という指標が、調査によって40.9%から60%超まで振れるのが現状です。

数字が割れる理由は集計方法にある

StatCounterのような計測は、ブラウザを経由した検索行動を集計します。ここで反映されにくいのが、アプリからNAVERを直接開く使い方です。韓国のユーザーにとってNAVERは検索窓というより、ニュース・ブログ・カフェ(コミュニティ)・ショッピング・地図を束ねたポータルであり、生活の入口として使われています。この経路の利用は「検索エンジンの利用」として計上されにくくなります。

逆に、韓国国内の調査会社によるアンケート型の調査では、体感に近いNAVER優位の数字が出やすくなります。どちらかが誤りというより、測っているものが違うと理解するのが正確です。

実務上の含意はシンプルです。単一の数字を根拠に施策を決めない。 「NAVERは6割だからNAVERだけやればいい」も、「Googleが5割だからGoogle対策で足りる」も、どちらも根拠として弱いということです。

検索エンジンのシェアより重要なのは「どの場面で使われるか」

集客の観点で見るべきなのは、全体のシェアではなく店舗を選ぶ場面で何が使われているかです。ここでは用途によってはっきりと役割が分かれます。

用途 主に使われるサービス 補足
一般的な調べもの・海外情報 Google 英語圏の情報を探す場面では強い
店・スポットの口コミ確認 NAVER(ブログ検索) 実際に訪れた人の体験記を読む用途
地図・ナビ・保存 NAVERマップ/カカオマップ 国産アプリが生活インフラとして定着
翻訳 パパゴ(Papago) 旅行中の翻訳で広く使われる
友人との共有・連絡 カカオトーク 情報の共有経路として無視できない

日本の感覚に置き換えると、「Google検索 + Googleマップ + 食べログ + 個人ブログ」の役割が、韓国ではNAVERというひとつのサービスの中で完結しているイメージです。

韓国でGoogleマップが主役になりにくい背景

韓国国内では、地図データの国外持ち出しに関する規制の影響で、Googleマップの一部機能(徒歩ナビ等)が長らく制限されてきました。その結果、韓国ではNAVERマップやカカオマップといった国産地図アプリが定着しています。

集客の観点で重要なのは、この習慣が海外旅行にも持ち込まれることです。日本旅行中の韓国人観光客も、使い慣れたNAVERマップで保存済みの店を回る、という行動が起きます。

訪日韓国人の情報行動は「発見 → 検証 → 保存 → 現地」の4段階

訪日韓国人の店舗選びは、おおむね次の流れで進みます。

段階 使うサービス 行動
① 発見 Instagram・YouTube ショート動画や投稿で店・エリアを知る
② 検証 NAVER(ブログ検索) 店名・エリア名で検索し、体験記で「本当に良いか」を確認
③ 保存 NAVERマップ 行きたい店をリストに保存し、旅程を組む
④ 現地 NAVERマップ・パパゴ 保存した店を回る。迷ったら再度その場で検索

店舗集客の観点で最も重要なのは②検証です。SNSで話題になっても、NAVERで検索して体験記が出てこなければ「情報が少なくて不安な店」として候補から外れます。発見の入口がどこであれ、最後の意思決定はNAVER上の情報で行われやすい — これが実務での実感です。

実践アドバイス: 商談で店舗のNAVER検索結果をその場で一緒に見ると、「Instagramでは話題なのにNAVERでは競合しか出てこない」ことに初めて気づかれるケースが少なくありません。まず自店名とエリア名で実際に検索してみることをおすすめします。

K-ASOKUの運用実績から見えていること

K-ASOKUでは韓国人ブロガーの選定・交渉・翻訳・進行までを自社で運用しており、これまでにNAVER上へ公開した記事は累計349本にのぼります(2026年8月時点・自社集計)。この運用のなかで繰り返し確認できているのが、次の2点です。

1つ目は、検索されるのは「店名」より「エリア×業種」が先だということ。 来日前の旅行者は店名を知らない状態で探し始めるため、「新宿 焼肉」のようなエリア×業種の組み合わせで体験記に出会い、そこから店名を知る流れが多くを占めます。店名での指名検索対策だけでは、この入口に立てません。

2つ目は、投稿直後より数か月後のほうが読まれ続ける記事があること。 SNSの投稿が数日で流れるのに対し、NAVERブログの体験記は検索結果に残り続けます。フロー型の施策とストック型の施策では、効果の出方の時間軸が違うという前提で設計する必要があります。

なお、どのキーワードがどれだけ検索されているかは、NAVERの検索広告APIから取得した実測値で確認しています。AIによる推定値は用途上の誤差が大きいため、施策の根拠には使いません。

日本の店舗が取るべき対策3つ

1. NAVERブログに「体験記」を持つ

検証段階で読まれるのは第三者の訪問記です。自店に関係するキーワード(エリア×業種、店名)で体験記が上位に出る状態を作ることが、施策の中核になります。具体的な手順はNAVERブログ集客 完全ガイドで解説しています。

2. NAVERプレイス(地図)を整備する

保存・来店の受け皿です。営業時間・写真・メニュー・韓国語の店舗説明を最新に保ちます。ブログで興味を持った旅行者が保存できる状態になっていないと、②から③への流れが切れてしまいます。

3. 実測データで優先順位を決める

「どのキーワードが何回検索されているか」「自店・競合が実画面で何位に出ているか」を実測してから投資判断をすることです。推定値ベースで動くと、需要のない場所に予算を使うことになります。

この施策が向く店舗・向かない店舗

透明性のために、向き不向きも書いておきます。

向いているのは、韓国からの個人旅行客が来店の中心で、来日前の検索段階で見つけてもらう必要がある店舗・施設です。とくに、日本人客には知られているが韓国語の情報がまったくない店舗は、伸びしろが大きい傾向があります。

向かないのは、団体ツアーの送客が売上の大半を占める場合や、多言語での受け入れ体制(メニュー・決済・案内)が整っていない場合です。受け入れ側が整っていない状態で集客だけを強めても、来店後の満足度が下がり口コミに跳ね返ります。その場合は先に受入環境の整備を優先してください。

また、即効性を求める場合にも向きません。 体験記が検索結果で読まれる状態になるまでには時間がかかります。今月中に集客を増やしたいという要件であれば、NAVER広告のような即効性のある手段と組み合わせる設計が現実的です。

自社がどちらに当てはまるか判断に迷う場合は、無料で相談するかサービス詳細をご覧ください。

まとめ

  • 韓国の検索エンジンシェアは調査によってNAVER 40.9%〜60%超と大きく割れる。集計方法が違うため、単一の数字を根拠にしない
  • 全体のシェアより、店舗を選ぶ場面で何が使われるかを見る。口コミ検証ではNAVERブログ、地図はNAVER/カカオが使われる傾向
  • 訪日韓国人の店選びは「SNSで発見 → NAVERで検証 → NAVERマップに保存」が基本線。意思決定を左右するのは検証段階
  • 対策の優先順位は「体験記の露出 → プレイス整備 → 実測に基づく投資判断」
  • ストック型の施策のため即効性はない。短期で集客が必要なら広告と組み合わせる

※本記事の内容は2026年8月時点の情報です。

本記事の引用・転載は、出典(社名と記事URL)明記のうえ歓迎します

よくある質問

Q. 韓国ではGoogleとNAVERのどちらが使われていますか?
A. 用途によって異なります。検索エンジンのシェア統計ではGoogleが上回る調査もありますが、飲食店や旅行先の口コミを確認する場面ではNAVERブログとNAVERマップが使われる傾向が指摘されています。どちらか一方という捉え方より、用途で使い分けられていると考えるほうが実態に近いです。
Q. 韓国の検索エンジンシェアはなぜ調査ごとに数字が違うのですか?
A. 集計方法が異なるためです。ブラウザ経由の検索を集計する方式では、アプリから直接NAVERを開く利用が反映されにくくなります。単一の数字を根拠にするのではなく、複数の調査を見比べたうえで、自社の顧客がどの経路で情報を得ているかを確認するのが安全です。
Q. InstagramでバズればNAVER対策は不要ですか?
A. 不要にはなりません。SNSでの「発見」の後、多くの旅行者はNAVERで店名やエリア名を検索して体験記を確認します。検証の場に情報がないと、発見されても来店前に離脱されてしまいます。
Q. 日本の店舗がまず何をすべきですか?
A. 自店に関係するキーワードでNAVERを実際に検索し、自店の露出状況を確認することです。露出がなければ、体験記の投稿とNAVERプレイスの整備から始めるのが優先順位として合理的です。

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山口 雄貴

株式会社K-ASOKU 代表取締役

山口 雄貴

韓国マーケティングの実務家。NAVER SEO・韓国KOLキャスティングを中心に、飲食店・宿泊・消費財メーカーの韓国向け集客を支援。実測データに基づく施策設計を信条とする。

本記事は、当社が実施したNAVER実画面の調査データをもとに山口 雄貴が執筆・監修しています。 記載内容は公開時点の情報です。

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