結論から言うと、韓国マーケティングで成果につなげるには、日本国内で通用するGoogle中心の手法をそのまま韓国市場に流用しないことが出発点になります。韓国では検索シェアをGoogleとNAVERが二分しており、調査によって順位が入れ替わるほど拮抗しています。ただし飲食店や旅行先のクチコミ探索の場面ではNAVERブログが依然として強く、Google向けの対策だけでは検討層に情報が届いていないケースが少なくありません。本記事では、韓国人消費者の傾向やデジタル文化の違いを踏まえた戦略設計のステップから、NAVER・Instagram・TikTok・Kakaoトークといったプラットフォーム別の活用法、マーケティング会社を選ぶ際の比較軸まで、実務で押さえておきたいポイントを整理して解説します。
韓国マーケティングで陥りやすい落とし穴|Google検索だけでは韓国市場が見えない理由
図: 韓国の検索エンジン市場シェア(出典: StatCounter GlobalStats)
結論から言うと、日本国内で通用しているWeb広告やSEOの手法は、韓国市場ではそのまま機能しません。検索エンジンとしてのシェアはGoogleとNAVERが拮抗しているものの、飲食店や旅行先を比較検討する場面では「NAVER」という韓国独自のポータルサイトの存在感が大きく、日本語圏向けに設計した対策キーワードや広告面には、韓国側の検討層がそもそも触れていないケースが多いのです。
日本企業が韓国市場で直面する情報格差
JNTOの発表によると、2026年6月の訪日外客数は314万8,600人(前年同月比6.8%減)となった一方、2026年上半期累計では2,108万4,800人に達し、6月として過去最高を記録した市場は韓国を含め15市場に上ります。
出典: JNTO(日本政府観光局)
市場規模としての手応えはあるものの、日本企業の多くは韓国側の一次情報にたどり着けていません。Googleでの市場調査やキーワード分析では、韓国人ユーザーが実際に読んでいるNAVERのブログやカフェの投稿が検索結果に現れにくいためです。結果として「韓国人はどこで店を探しているのか」「何を検索しているのか」という基礎情報が抜け落ちたまま、施策設計に入ってしまう企業が少なくありません。
韓国人ユーザーの検索行動はGoogle一強ではない
2026年8月時点の韓国における検索エンジンシェアは、以下の通りです。
| 検索エンジン | シェア |
|---|---|
| 46.6% | |
| Naver | 43.71% |
| bing | 5.44% |
| YANDEX | 1.37% |
| CocCoc | 1.36% |
| Daum | 0.88% |
Googleが首位ではあるものの、Naverが43.71%と僅差で続いている点が、日本市場との決定的な違いです。日本国内ではGoogleとその関連サービスが検索市場の大半を占め、他の検索エンジンの利用はごくわずかにとどまります。一方韓国は、検索需要のほぼ半分がNaver経由で発生しており、Google向けに最適化した施策だけでは、韓国人ユーザーの半数近くに情報が届いていない計算になります。
対策KWリストに出てこない韓国独自のプラットフォーム「NAVER」という盲点
一般的なキーワード調査ツールの多くはGoogleの検索データを基準に設計されており、Naver上でどんな語句がどれだけ検索されているかは反映されません。そのため日本側で「対策すべきキーワード」を洗い出しても、実際に韓国人ユーザーが打ち込んでいる言葉と一致しないまま施策を進めてしまうリスクがあります。この盲点に気づかずに広告やSNS運用だけを進めても、店舗名や商品名がNaver検索結果に存在しない状態は変わりません。K-ASOKUでは、Naver検索広告APIの実測データをもとに現状を可視化する無料のNAVER検索診断を提供しています。自社の店舗や商品がNaver上でどう見えているか気になる方は、まず無料診断で確認してみてください。
韓国市場を中心に理解する|韓国人消費者の傾向とデジタル文化
韓国マーケティングを設計する際は、日本の消費者像をそのまま当てはめないことが出発点になります。同じアジア圏で地理的にも近い韓国ですが、情報収集の経路も購買までの心理も日本とは異なる部分が少なくありません。まずは韓国人消費者がどのようにデジタル空間で情報を集め、購買を決めているのかを見ていきましょう。
韓国人消費者の購買行動とデジタル依存度
韓国の消費者は、来店や購入の前にスマートフォンで情報を集める傾向が強い層です。特に飲食店・宿泊施設・商業施設のような実店舗ビジネスでは、SNSや検索エンジンでの下調べが来店の可否を左右します。JNTOの発表によると、2026年6月は訪日外客数が3,148,600人(前年同月比6.8%減)となった一方、韓国を含む15市場が6月として過去最高を記録しました。2026年1〜6月の累計でも21,084,800人と、上半期としては高水準の訪日需要が続いています。
出典: JNTO(日本政府観光局)
このように訪日需要そのものは底堅い一方、店舗側の情報がその需要を取りこぼしているケースは珍しくありません。旅行前の検討段階で候補に挙がらなければ、そもそも来店機会は生まれないためです。韓国人消費者の購買行動を理解する第一歩は、彼らが「どこで」情報を探しているかを把握することだといえるでしょう。
韓国独自のSNS・検索エコシステム(NAVER・Kakao)の位置づけ
韓国のデジタル環境で欠かせないのが、NAVERとKakaoという韓国独自のプラットフォームです。NAVERは検索・ブログ・地図・決済までを内包したポータルで、Kakaoはメッセンジャーアプリ「カカオトーク」を軸にした生活インフラとして機能しています。両者は日本のGoogleとLINEに近い位置づけながら、検索結果の中身は大きく異なります。
StatCounterの調査(2026年8月)によると、韓国国内の検索エンジンシェアは以下の通りです。
| 検索エンジン | 韓国国内シェア(2026年8月) |
|---|---|
| 46.6% | |
| Naver | 43.71% |
| bing | 5.44% |
| YANDEX | 1.37% |
| CocCoc | 1.36% |
| Daum | 0.88% |
全体シェアで見るとGoogleとNaverは拮抗していますが、この数字だけでNAVER対策の優先度を判断するのは早計です。Naverは検索結果の中にブログ・カフェ・プレイスといった自社サービスの投稿を優先的に表示する仕組みを持っており、旅行先の店舗を比較検討する場面ではNaverブログの実体験レビューが参照されやすい傾向にあります。つまりGoogleは情報収集の入口の一つに過ぎず、比較・意思決定の場面ではNaverの存在感が相対的に大きくなるということです。KakaoTalkも公式アカウントを通じたクーポン配布やCRM的なコミュニケーションに使われており、検索エンジン単体のシェアだけでは測れない役割を担っています。
日本市場との文化的な違いとユーザー心理
日本の消費者は公式サイトや大手ポータルの情報を比較的信頼する傾向がありますが、韓国の消費者は個人ブログやSNS上の実体験レビューを重視する傾向が強いとされています。同じ商材でも「誰が」発信しているかによって受け取られ方が変わるため、企業公式の発信だけでは購買意欲を十分に喚起できない場合があります。
また、情報の拡散スピードにも違いがあります。韓国では話題になった店舗や商品の情報がSNSやブログを通じて短期間で広がりやすく、一つの投稿が多くの潜在顧客に影響を与えることもあります。日本向けの発信をそのまま翻訳して韓国語で配信するだけでは、こうした拡散構造やユーザー心理に合わないコンテンツになってしまう恐れがあります。
こうした違いを踏まえると、韓国マーケティングで求められるのは「日本の施策の韓国語版」ではなく、韓国のプラットフォーム特性と消費者心理に合わせた設計だと分かります。次章では、この理解を踏まえた戦略設計の具体的なステップを解説します。
韓国マーケティングを成功に導く戦略設計の基本ステップ
韓国市場の特性をつかめたら、次は自社の状況に合わせて戦略を組み立てる番です。押さえるべきは「①ターゲットと市場調査」「②チャネル選定と予算配分」「③コンテンツのローカライズ」の3ステップです。順番に見ていきましょう。
ターゲットと市場調査で韓国市場の傾向をつかむ
戦略設計の出発点は、自社が狙う韓国人層の動きを数字で押さえることです。2026年6月の訪日外客数(全国籍合計)は314万8,600人で、前年同月比6.8%減でした。一方で韓国を含む15市場は、6月として過去最高を記録しています。2026年上半期の累計でも、全国籍合計で2,108万4,800人が来日しており、市場全体としては底堅い需要が続いています。
出典: JNTO(日本政府観光局)
数字を追うだけでなく、自社の店舗・施設が韓国人ユーザーの検索画面にどう映っているかを確認することも欠かせません。NAVERの実画面に自社情報や口コミが出てくるかどうかは、無料のNAVER検索診断で契約前から確認できます。まず自社の現在地を知ることが、的確なターゲット設定の土台になります。
チャネル選定と予算配分の考え方
韓国の検索エンジン市場は、Googleが46.6%、NAVERが43.71%とシェアが拮抗しています。続くbing(5.44%)、Yandex(1.37%)、CocCoc(1.36%)、Daum(0.88%)は限定的です。
この数字だけ見るとGoogle対策を優先したくなりますが、来日前の店舗比較・口コミ確認で頼られるのはNAVERのブログやプレイス、カフェといった付随サービスです。目的別にチャネルの役割を整理すると、次のようになります。
| 目的 | 主要チャネル | 特徴 |
|---|---|---|
| 認知拡大・世界観訴求 | Instagram・TikTok | ビジュアル訴求向き。短期的な話題化に強い |
| 来店・購入の比較検討 | NAVER(ブログ・プレイス・検索広告) | 来日前の情報収集段階で閲覧されやすい |
| 既存顧客のリピート化 | KakaoTalk | 公式アカウントで再来店・再購入の促進に向く |
予算配分は「まず認知か、まず送客か」という自社の優先順位次第で変わります。SNSでの認知はあるのに来店に結びついていない場合は、比較検討段階に効くNAVER側の配分を厚くするのが基本的な考え方です。チャネルごとの具体的な打ち手は、サービス詳細のページでも紹介しています。
コンテンツを韓国仕様にローカライズする視点
チャネルが決まっても、日本向けに作ったコンテンツをそのまま韓国語に翻訳するだけでは、成果につながりにくい点は見落とされがちです。前章で触れた通り、韓国人ユーザーは他人の体験談やレビューを重視して購買を判断する傾向があります。そのため、企業からの一方的な訴求よりも、実際に来店・利用した人の目線に近い体験談型のコンテンツの方が読まれやすい構造になっています。
写真の構図一つとっても、日本人向けと韓国人向けでは「刺さる」見せ方が異なります。価格や量の伝え方、アクセス案内の粒度も、現地の生活感覚に合わせて組み直す必要があります。翻訳会社に文章だけを依頼するのではなく、韓国語ネイティブの視点でトーンや構成そのものを見直す工程を、戦略設計の段階から組み込んでおくと後工程での手戻りを減らせます。自社の場合どこまで韓国仕様に組み替えるべきか判断がつかないときは、無料で相談することも可能です。


