結論から言うと、韓国向け広告で成果を出すには、NAVER中心の検索行動と現地の商習慣を理解した代理店選びが欠かせません。韓国の広告代理店は、財閥系グループ発の大手総合代理店と、NAVER検索対策やインフルエンサー施策に強い専門特化型代理店に大きく分かれます。本記事では、両者の特徴や依頼できる業務範囲、SNS広告やコンテンツローカライズなど具体的な施策、事業規模・目的別の選び方を比較表で整理します。あわせて、韓国人ブロガーネットワークや実測データを活かしたK-ASOKUの支援内容もご紹介します。
韓国市場への広告展開で日本企業が直面する課題とは
図: 2026年7月 主要市場別 訪日客数の前年同月比(出典: JNTO(日本政府観光局))
結論から言うと、韓国向け広告で日本企業がつまずく最大の要因は、日本と同じ検索行動・商習慣を前提に施策を組んでしまうことです。韓国は検索エンジンの構造も、代理店とのコミュニケーションの取り方も日本と異なります。この違いを理解しないまま日本国内向けの広告戦略をそのまま持ち込むと、予算を投じても現地ユーザーに情報が届かず、成果につながりにくくなります。韓国市場での成功には、検索行動の違いを踏まえた戦略設計と、現地の商習慣に精通した代理店選びの両方が欠かせません。
NAVER中心の韓国広告市場という「日本企業が知らない壁」
韓国国内の検索エンジンシェアは、2026年8月時点でGoogleが46.6%、Naverが43.71%とほぼ拮抗しています(bingは5.44%)。日本のようにGoogleがほぼ一強という状況ではなく、韓国では検索行動が複数のプラットフォームに分散しているのが実態です。特にNaverは検索結果内にブログ・カフェ(コミュニティ)・ショッピングなど独自コンテンツが組み込まれた構造になっており、Googleと同じ広告設計をそのまま流用しても同じ効果は見込めません。日本企業が「Google広告さえ強化すれば韓国でも通用する」と考えてしまうのは、この市場構造の違いを理解していないことが背景にあります。代理店を選ぶ際は、Naverを含む複数の検索プラットフォームでの実績があるかどうかが最初の判断軸になります。
言語・商習慣の違いで起こりやすい失敗パターン
言語と商習慣の壁は、代理店選定後にも失敗を招きやすいポイントです。よくあるのが、日本語の広告コピーや資料をそのまま韓国語に翻訳し、現地向けコンテンツとして展開してしまうケースです。直訳では検索キーワードの実態やターゲットの表現感覚とずれが生じ、狙った層に響きません。また、日本側の担当者が韓国語でのやり取りに不慣れなまま代理店に運用を丸投げし、施策の意図や進捗確認が不十分になることも少なくありません。さらに、意思決定のスピード感や報告の頻度に対する期待値が日韓で異なるため、認識のすり合わせを怠ると「思っていた運用と違う」という不満につながります。代理店選びの段階で、コンテンツ制作の体制・報告の粒度・複数案の比較検討ができるかを確認しておくことが、こうした失敗パターンを避ける近道です。
韓国の広告代理店とは?主な種類と特徴を理解する
韓国の広告代理店は、大きく「総合広告代理店」と「独立系・専門特化型代理店」に分かれます。前者はサムスンやヒュンダイなど財閥系企業がグループ内で設立した歴史を持ち、テレビCMから屋外広告、デジタル施策まで一貫して手がける総合力が強みです。後者はNaver検索対策やインフルエンサーマーケティングなど特定領域に絞り、機動力と専門性で差別化しています。韓国向け広告を検討する際は、まずこの2タイプの違いを理解した上で、自社の目的(ブランド認知の獲得か、来店・購買につながる集客か)に合う候補を絞り込むことが出発点になります。
代表的な韓国大手広告代理店(Cheil・Innocean・HSAD等)の実績
韓国の広告業界を代表するのが、財閥系グループ発の総合広告代理店です。サムスングループ系のCheil Worldwide(제일기획)、ヒュンダイ自動車グループ系のInnocean(이노션)、LGグループ系のHSAD(HSアド)などが該当し、いずれもテレビCM・屋外広告からデジタルマーケティングまで幅広い領域をカバーしています。自社グループの広告出稿を土台に成長してきた経緯があり、大規模なブランドキャンペーンや海外展開の実績を豊富に持つのが特徴です。一方で取引の規模感が大きい分、中小企業や単一店舗単位の集客施策には対応しづらい面もあります。飲食店や宿泊施設単体の集客が目的なら、次に紹介する独立系・専門特化型代理店の方が現実的な選択肢になるケースが多いです。
独立系・専門特化型代理店の強みと戦略
近年存在感を増しているのが、特定の領域やプラットフォームに特化した独立系代理店です。韓国国内の検索エンジンシェアはNaverが43.71%(2026年8月時点)を占め、Googleの46.6%と拮抗する独自の市場構造を持っています。この構造ゆえに、Naver検索対策やNaverブログを軸にしたインフルエンサー施策に強みを持つ専門特化型代理店が一定の需要を集めています。大手代理店が総合力で勝負するのに対し、専門特化型代理店は特定チャネルへの理解の深さと、少人数体制ゆえの意思決定の速さで差別化する戦略をとります。依頼したい施策(Naver対策か、SNS広告か、ECモール運用か)が明確であれば、専門特化型代理店の方が費用対効果を見極めやすい傾向があります。
日本企業が代理店に依頼できる業務範囲
韓国の広告代理店に依頼できる業務は、代理店のタイプによって幅が異なります。総合広告代理店であれば市場調査・広告クリエイティブ制作・媒体出稿・効果測定までを一括で任せられる一方、専門特化型代理店はNaver検索広告の運用、Naverブログを使ったインフルエンサー施策、SNS広告運用、現地向けコンテンツのローカライズなど特定領域に絞った業務を担うのが一般的です。以下は事業規模別に、依頼できる業務範囲の目安をまとめたものです。
| 代理店タイプ | 得意な業務範囲 | 向いている事業規模 |
|---|---|---|
| 大手総合広告代理店 | テレビCM・屋外広告・大規模デジタルキャンペーン・海外展開支援 | 全国・グローバル展開を目指す大企業 |
| 独立系・専門特化型代理店 | Naver検索対策・インフルエンサー施策・SNS広告・現地コンテンツ制作 | 特定チャネルに絞りたい中小企業・単一店舗 |
自社の目的が「韓国国内での認知拡大」なのか「訪日韓国人観光客の来店・宿泊増加」なのかによって、依頼すべき業務範囲も代理店タイプも変わってきます。特に飲食店や宿泊施設の場合は、大規模なブランドキャンペーンよりも、Naver上での検索対策や口コミ施策に絞った専門特化型代理店の方が、限られた予算でも成果につながりやすい傾向があります。
韓国向けデジタルマーケティングの具体的な施策
図: 2026年8月 韓国における検索エンジン市場シェア(出典: StatCounter GlobalStats)
代理店に依頼できる業務範囲が見えたら、次は自社の目的に合わせて施策を組み合わせる段階です。2026年7月の訪日韓国人数は894,700人(前年同月比+31.9%)で、7月として過去最高を記録しました。
出典: JNTO(日本政府観光局)
インバウンド需要が拡大するなかで、韓国向けデジタルマーケティングは「検索対策」「SNS広告・インフルエンサー活用」「コンテンツ制作」の3軸で構成され、単体よりも組み合わせたほうが成果につながりやすい傾向があります。目的別に適した施策を整理すると、次のようになります。
| 目的 | 相性の良い施策 | 特徴 |
|---|---|---|
| 来日前の検討段階でリーチしたい | NAVER検索広告・SEO | 検索という「能動的な行動」を起点にできる |
| 短期間で認知を広げたい | SNS広告 | ターゲティング精度が高くスピーディー |
| 信頼感を醸成し来店・購入につなげたい | インフルエンサー・ブロガータイアップ | 第三者の声として受け取られやすい |
| 検索結果に情報資産を残したい | 現地向けコンテンツ制作 | 投稿がNAVER検索結果に残り続ける(ただし存続を保証するものではありません) |
NAVER検索広告・SEO対策で現地ユーザーにリーチする
「韓国マーケティングはGoogle広告だけで足りるのでは」と考える担当者は少なくありません。しかし2026年8月の韓国国内における検索エンジン市場シェアは、Googleが46.6%、Naverが43.71%とほぼ拮抗しています。
つまりGoogle広告のみに予算を寄せると、韓国ユーザーの検索行動の半分近くを取りこぼす可能性があります。具体的な施策としては、Naverの検索連動型広告「NAVER検索広告」への出稿と、Naverブログ・Naverプレイスを軸としたSEO対策が中心になります。特に飲食店や宿泊施設の場合、来日前の情報収集はブログの実体験レビューに強く影響されるため、広告だけでなく検索結果の上位に自店の情報が「オーガニックに」表示される状態をつくることが重要です。自社の店舗名や業態名でNaver検索を実際に行い、現状の露出状況を確認するところから始めるとよいでしょう。
無料のNAVER検索診断では、契約前に自店の検索結果を実画面で確認できます。まずは現状把握から始めたい方は無料NAVER検索診断をご検討ください。
SNS広告・インフルエンサー起用とタイアップ施策
Instagram・YouTube・TikTokなどのSNS広告は、短期間で幅広い層に接触できる施策です。ただし韓国のSNS利用者は、企業アカウントからの広告よりも個人インフルエンサーの投稿を信頼する傾向が強く、広告単体よりもインフルエンサー起用と組み合わせたほうが効果を実感しやすいとされています。
タイアップの形式は、単発のPR投稿から、複数のインフルエンサーが同時に発信する大規模なキャンペーンまで幅広く存在します。日本企業が陥りやすい失敗は、フォロワー数だけでインフルエンサーを選定してしまうことです。フォロワー数が多くても、自社のターゲット層(年齢層・エリア・興味関心)と合致していなければ、来店や購入といった成果にはつながりにくくなります。韓国では検索エンジンのNaver上でブログを執筆するインフルエンサー(いわゆるNaverブロガー)も独自の存在感を持っており、SNS向けのタレント型インフルエンサーとは異なる文脈で活用されている点も押さえておきたいポイントです。
現地向けコンテンツ制作・ローカライズの重要性
前述の失敗パターンでも触れたとおり、日本語をそのまま機械翻訳しただけのコンテンツは、韓国ユーザーに違和感を与えやすく、成果に結びつきにくい傾向があります。現地向けコンテンツ制作で意識すべきは、単なる言語の置き換えではなく、韓国語ネイティブの視点による表現・文化的な文脈への調整です。
たとえばNaverブログ向けのコンテンツは、単なる紹介文ではなく、実際に訪れた体験談として書かれることで検索結果や読者からの評価が上がりやすくなります。写真の選び方ひとつとっても、日本人向けと韓国人向けでは好まれる構図や情報量が異なるため、現地の感覚を理解したライターやディレクターが関与しているかどうかが、コンテンツの質を左右します。予約導線や決済方法の案内といった実務的な情報も、韓国ユーザーが迷わない形で現地目線に合わせて設計することが欠かせません。
自社に合ったコンテンツ制作・タイアップ体制をどう組むか迷う場合は、無料で相談することも選択肢の一つです。


