結論から言うと、温泉旅館に外国人客が集まらない要因は、温泉そのものの魅力が足りないとは限らず、海外の検索面で認知が届いていないケースが目立ちます。訪日外国人の関心自体は年々高まっており、2026年6月には15市場が6月として過去最高を記録しました。本記事では、観光庁の統計データや人気温泉地に共通する特徴をもとに、温泉旅館・宿泊施設が今日から取り組めるインバウンド対策を解説します。あわせて、韓国人観光客に強いNAVER対策についても紹介します。
温泉旅館の「外国人がいない」悩みの正体|インバウンド対策が急がれる背景
図: 温泉地の延宿泊利用人員 推移(令和3年度→令和4年度)(出典: 環境省)
結論から言うと、「外国人がいない」温泉地の多くは、魅力が足りないとは限らず、海外の検索面での認知不足が要因になっているとみられます。訪日外国人の行き先は一部の温泉地に集中しており、情報が届いていない温泉地は、そもそも比較検討の候補にすら入っていないのが実情です。
なぜ人気の温泉地と外国人観光客がいない温泉地で差がつくのか
差を生む一因は、来日前の情報収集チャネルに自館の情報が存在するかどうかです。人気温泉地は海外メディアやSNSで繰り返し紹介され、検討段階から候補に入ります。一方、知名度が低い温泉地は多言語サイトや現地チャネルでの発信がなければ、土俵にすら上がれません。アクセスの良し悪し以前に「見つけてもらえるか」が分かれ目になっています。
温泉街のインバウンド動向を観光庁の調査データで見る
2026年6月の訪日外客数は314万8,600人で、前年同月比6.8%減でした。一方、2026年上半期の累計は2,108万4,800人に達し、台湾・韓国・米国・インドなど15市場で6月として過去最高を記録しています。消費額も伸びており、2026年4-6月期の訪日外国人旅行消費額は2兆5,096億円(前年同期比+0.2%)、一人当たり旅行支出は24.4万円(同+3.3%)でした。市場全体が縮小しているのではなく、行き先と情報発信の有無で明暗が分かれていると見られます。
出典: JNTO(日本政府観光局)
出典: 観光庁
訪日外国人旅行者が温泉旅館・スパ施設に期待していること
モノ消費からコト消費へ 訪日外国人が温泉体験に感じる魅力
訪日外国人旅行者の間では、浴衣姿で外湯めぐりをしたり、宿の食事作法に触れたりと、日本でしか味わえない体験にお金を使う「コト消費」の動きが広がっています。温泉旅館での宿泊は、まさにこのコト消費の代表格です。貸切風呂でゆったり過ごしたり、部屋食で旅館ならではのおもてなしを味わったりといった体験そのものが、他国にはない「日本らしさ」として映ります。2026年4-6月期の訪日外国人旅行消費額は2兆5,096億円で、前年同期比+0.2%とほぼ横ばいでした。一方、一人当たり旅行支出は24.4万円で前年同期比+3.3%と伸びています。人数の伸びに頼らず、一人あたりの支出単価が上がっているということは、体験の質にお金をかける旅行者が増えていると考えられます。温泉旅館のような滞在体験型の宿泊施設にとっては、追い風となる動きです。
出典: 観光庁
入浴文化への戸惑いと期待のギャップ、一方で高まる関心
温泉旅館への関心が高まる一方で、入浴文化そのものへの戸惑いは根強く残っています。裸で入浴する習慣や、タトゥーへの対応、洗い場でのマナーなど、日本人には当たり前でも訪日外国人旅行者には情報が不足しがちな点は少なくありません。この戸惑いは、事前に情報を得られるかどうかで解消できる部分でもあります。入浴ルールやマナーを来日前に多言語で発信できていれば、不安を期待に変えられる余地があるということです。実際、2026年6月の訪日外客数は314万8,600人で、15市場が6月として過去最高を記録しました。関心自体は年々広がっているからこそ、情報が届く場所に発信できているかどうかが、選ばれる温泉旅館とそうでない温泉旅館の分かれ目になります。無料のNAVER検索診断では、貴施設の情報が韓国人観光客の検索画面にどう映っているかを実際の画面で確認できます。
出典: JNTO(日本政府観光局)
人気温泉地・インバウンド温泉ランキングに見る外国人観光客に選ばれる共通点
「うちは有名温泉地じゃないから、外国人客は増やせない」と考える経営者は少なくありません。ですが実際のランキングを見ると、選ばれる理由は知名度だけではないことがわかります。
ランキング上位の温泉地・旅館に共通する3つの特徴
外国人観光客に人気の温泉地に共通するのは、まず海外からのアクセスのしやすさです。空港や主要駅からの交通手段がわかりやすく案内されている点が挙げられます。
次に、多言語での情報発信です。公式サイトや館内表示が外国語に対応し、来日前の検討段階で候補に入れてもらえる状態を作れています。
そして、SNSや現地の検索・口コミサービスでの露出です。訪日前に「行き先」を調べる段階で見つけてもらえるかどうかが、選ばれる旅館とそうでない旅館を分けています。
ランキング未掲載の温泉街・観光地でも実際に取り組める対策
有名温泉地でなくても、この3点は個別の施設単位で着手できます。特に情報発信は、大規模な設備投資をせずに始められる対策です。
自施設がどの国・地域の観光客にどう見えているかを知ることが出発点になります。たとえば韓国人観光客に向けては、日本の検索エンジンとは異なるNAVERでの見え方を確認することが、対策の優先順位を決める判断材料になります。無料のNAVER検索診断では、貴施設の情報が韓国人観光客の検索画面にどう映っているかを実際の画面で確認できます。


