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韓国インバウンド全般公開 2026.09.22・読了24分

インバウンド広告代理店比較|目的別・国別の選び方ガイド

インバウンド広告代理店比較|目的別・国別の選び方ガイド
山口 雄貴

山口 雄貴(株式会社K-ASOKU 代表取締役)

この記事でわかること

  • 国別・目的別で選ぶ代理店比較軸
  • 広告予算が成果に繋がらない典型パターン
  • 韓国特化の代理店が少ない理由
  • 無料診断で契約前に判断する方法
目次(7項目)
  1. インバウンド広告代理店への依頼を検討する前に整理したい3つの悩み
  2. インバウンド広告の種類と代理店に依頼できる業務の範囲
  3. 国別に見るインバウンド広告代理店の選び方
  4. 目的別に見るインバウンド広告代理店の選び方
  5. 【比較表】ターゲット国・事業規模別インバウンド広告代理店の選び方
  6. なぜ韓国インバウンドは専門特化の代理店に相談すべきか
  7. まとめ ― 自社の目的と国別ターゲットを整理してから代理店を選ぶ

結論から言うと、インバウンド広告代理店選びで迷う原因は「何を軸に比較すべきか決まっていない」という一点に集約されます。ターゲット国・目的・事業規模のいずれか1つを先に固定するだけで、検討すべき選択肢は大きく絞り込めます。本記事では代理店選びでつまずきやすい3つの悩みを整理したうえで、国別・目的別の選び方と比較表、韓国市場でNAVER単独特化の代理店が少ない背景まで解説します。自社がどのタイプに当てはまるか確認しながら読み進めてください。

インバウンド広告代理店への依頼を検討する前に整理したい3つの悩み

代理店を検索すると候補が何十社も並び、どこから手をつければよいか迷ってしまう担当者は少なくありません。実はターゲット国・目的・事業規模のうちどれか1つを先に固定するだけで、検討すべき選択肢は大きく絞り込めます。まずは代理店を探し始める前の段階でつまずきやすい3つの悩みを整理し、自社がどこに当てはまるかを確認してみましょう。

数多くの代理店から自社に合う1社を選べないという悩み

インバウンド広告を扱う代理店は、複数国をまとめてプロモーションする総合型の会社から、特定の国・媒体に特化した専門会社まで幅広く存在します。検索すればすぐに何十社という候補が出てくるため、「とりあえず知名度のある会社に相談する」という判断に流れがちです。しかし対応できる国・媒体は会社ごとに異なり、自社が狙いたい国に強いとは限りません。知名度だけで選んだ結果、狙っていた国の媒体には実はあまり強くなかった、という状況も起こり得ます。

自社に合う1社を絞り込むには、代理店を大きく3タイプに分けて考えると判断しやすくなります。

代理店のタイプ 得意な国・地域 向いている事業者
総合型(訪日メディア保有含む) 複数国を横断してカバー 複数国へ同時展開したい大手・大規模予算
特定国・言語圏特化型 中国・台湾・欧米など単一〜少数国 ターゲット国が明確な中小〜中堅事業者
韓国単独特化型 韓国(NAVERを中心とした検索・SNS) 韓国インバウンドに絞って集客したい店舗・施設

総合型は複数国に同時に手を広げられる反面、1国あたりの専門性は特化型に譲る場合があります。逆に特化型は対応国が限られる分、その国の検索行動や媒体事情に踏み込んだ提案を受けやすい傾向があります。自社の場合、まず「どの国の観光客に来てほしいのか」を1つか2つに絞り、その国に強い代理店から比較を始めると、最初の1社にたどり着きやすくなります。逆に国を絞らないまま相談を始めると、代理店ごとに提案の前提が異なり、比較そのものが難しくなる点には注意が必要です。

広告予算をかけても成果につながらない典型パターン

予算を投じたのに成果につながらないケースの多くは、「訪日客数が多い国=優先すべき国」という発想のまま媒体や予算配分を決めてしまうことに原因があります。人数の多さと、実際の消費額や成約のしやすさは、そのまま比例するとは限りません。

観光庁が公表した2026年4-6月期の1次速報によると、訪日外国人旅行消費額は2兆5,096億円(前年同期比+0.2%)とほぼ横ばいだった一方、一人当たり旅行支出は24.4万円で前年同期比+3.3%増加しています。消費額の上位5か国・地域は[1]米国 [2]台湾 [3]中国 [4]韓国 [5]香港の順となっており、訪日人数の多さと消費額の順位が、そのまま一致するとは限りません。

出典: 観光庁

また、JNTOの発表では2026年8月の訪日外客数は309万8,900人で前年同月比9.6%減となった一方、韓国・台湾・米国など14市場は8月として過去最高を記録しています。市場全体の数字が落ちていても、伸びている国と足踏みしている国が同時に存在しているということです。

出典: JNTO(日本政府観光局)

「全体が減っているから広告を控える」「人数が多い国に予算を集中する」といった大づかみな判断だけでは、実際に伸びている国や、自社の客単価と相性のよい国を取りこぼしかねません。国別の実データを見ながら、どの国のどのフェーズに予算を配分するかを判断できるかどうかが、成果の分かれ目になります。この判断を自社だけで行うのが難しい場合、複数国のデータを扱い慣れた代理店に相談することで、感覚ではなく数値に基づいた予算配分を組み立てやすくなります。

自社単独では出稿できない海外媒体が存在する現実

インバウンド広告を検討し始めると、多くの担当者が「そもそも自社で直接出稿できないのか」という壁にぶつかります。中国の百度やWeChat、韓国のNAVERといった媒体は、現地の事業者登録や現地法人がないとアカウントを開設できない場合があり、日本国内の事業者が単独で出稿しようとしても入口に立てないことがあります。欧米圏で主流のGoogle・Metaのように日本からでも比較的出稿しやすい媒体がある一方で、国によっては代理店経由でなければ実質的に出稿できない媒体が存在するのが実際のところです。

たとえば韓国のNAVERは、日本人観光客が主に使うGoogleとは検索行動もアカウント開設の条件も異なります。代理店を介さずに情報を出そうとすると、韓国語での現地情報登録や現地事業者との窓口対応が必要になり、日本側の担当者だけで完結させるのは容易ではありません。K-ASOKUが韓国インバウンド向けに提供しているNAVER JACKも、こうした「自社では出稿口すら持てない」という課題を前提に、現地の韓国人ブロガーとの交渉から記事の投稿までを代行する形で設計されています。

自社が検討している国の媒体に、自社だけで出稿できる状態にあるのかどうかは、代理店を探し始める前に確認しておきたいポイントです。心当たりがある場合は、無料のNAVER検索診断で自社の現状を確認したうえで、代理店選びの軸を整理することもできます。

インバウンド広告の種類と代理店に依頼できる業務の範囲

2026年8月の訪日外客数は309万8,900人で、前年同月比9.6%減となりました。

出典: JNTO(日本政府観光局)

減少局面であっても、韓国・台湾・香港・マレーシアなど14市場は8月として過去最高を記録しており、国・地域によって動きが大きく異なります。

出典: JNTO(日本政府観光局)

この「国ごとの濃淡」を前提にすると、インバウンド広告は日本国内向けの広告と同じ発想では設計できません。ターゲットが海外にいる段階と、来日中に日本国内を移動している段階、帰国後の段階とで、接触できる媒体もクリエイティブの作り方もまったく変わるためです。代理店に相談する前に、まず「どの段階で・どの媒体を・誰が扱えるのか」を自社の頭の中で整理しておくと、初回商談での質問の精度が上がります。

旅マエ・旅ナカ・旅アトで変わる広告媒体の種類

インバウンド業界では、旅行者の行動を「旅マエ(渡航前の検討期)」「旅ナカ(滞在中)」「旅アト(帰国後)」の3フェーズに分けて考えるのが一般的です。同じ予算でも、どのフェーズに配分するかで期待できる成果が変わります。

フェーズ 旅行者の状態 主な広告媒体の例 期待しやすい効果
旅マエ 行き先・店舗を検討中 検索連動型広告、SNS広告、動画広告、OTA内広告、現地ポータル・ブログ 認知拡大、候補への組み入れ
旅ナカ 訪日中・移動中 位置情報連動広告、空港・駅・商業施設のデジタルサイネージ、現地Wi-Fiポータル広告 来店誘導、当日行動の後押し
旅アト 帰国後 リターゲティング広告、SNSフォロー施策、メールマガジン リピート化、口コミ・UGC化

ここで注意したいのは、「旅マエで検討に入っていない店舗は、旅ナカでどれだけ広告を打っても選ばれにくい」という順序です。特に韓国人観光客の場合、来日前の情報収集は主にNAVER(韓国の検索エンジン)上で行われるため、旅ナカ向けのサイネージ広告だけを検討している段階だとすれば、その手前の旅マエ施策が空白になっていないかを一度確認する価値があります。

代理店に依頼できる業務とアカウント開設代行

インバウンド広告代理店に依頼できる業務は、大きく「戦略・企画」「制作」「媒体運用」「アカウント開設代行」の4つに分かれます。

業務区分 具体的な内容 自社単独での対応可否
戦略・企画 ターゲット国の選定、フェーズ設計、KPI設計 可能だが現地の検索行動データが必要
制作 広告クリエイティブ、多言語コピー、現地語への翻訳・ローカライズ 可能だが現地語ネイティブの確認が望ましい
媒体運用 入稿、予算配分、効果測定、レポーティング 可能(媒体アカウントがあれば)
アカウント開設代行 媒体側の審査・現地事業者登録要件への対応 媒体によっては単独で不可

特に見落とされがちなのが、アカウント開設代行の必要性です。中国のWeChatや百度、韓国のNAVERなどは、現地の事業者登録証や法人格を求められる場合があり、日本企業が単独でアカウントを開設できない媒体が実在します。「予算はあるのに、そもそも出稿する入り口に立てない」という状態です。

この場合、代理店が現地の提携先やネットワークを通じてアカウント開設・運用代行までを担うことになります。自社が検討している国の媒体に、どの業務までを自社で対応でき、どこから代理店の手が必要になるのかは、問い合わせ時に明確にしておきたいポイントです。心当たりがある場合は、サービス詳細で代行範囲の考え方を確認しておくと、他社との比較がしやすくなります。

広告費の支出内訳 ― 媒体費・制作費・1人当たりの運用工数

インバウンド広告の見積もりを受け取ると、総額だけが提示されて内訳が分かりにくいケースがあります。しかし予算配分を判断するには、最低限次の3つに分けて考える必要があります。

  • 媒体費: 実際にSNSや検索エンジン、現地ポータルに支払われる広告出稿費用
  • 制作費: クリエイティブ制作、コピーライティング、翻訳・ローカライズにかかる費用
  • 運用工数(人件費相当): 入稿設定、日々の効果測定、レポーティング、担当者との連絡調整にあたる人的リソース

このうち運用工数は見積書に表れにくい一方、成果を左右する要素です。担当者1人が同時に管理できるアカウント数や予算規模には限りがあり、体制が薄い代理店ほど「入稿はしたが、細かな最適化まで手が回らない」状態に陥りやすくなります。契約前には、自社の案件を実際に何人体制で、どのくらいの頻度でレポーティングしてもらえるのかを確認しておくと安心です。

また、配分先の国によって想定すべき予算規模の考え方も変わります。2026年4-6月期の訪日外国人一人当たり旅行支出は24.4万円で、消費額の上位は米国・台湾・中国・韓国・香港の順でした。

出典: 観光庁

人数が多い国と、消費額が大きい国が一致するとは限りません。「訪日客数が多いからその国に広告費を厚く配分する」という発想だけでなく、自社の客単価やターゲット層に合う国かどうかを踏まえて、媒体費・制作費・運用工数の配分先を決める視点が必要になります。国別の選び方については、次のセクションで詳しく整理します。

国別に見るインバウンド広告代理店の選び方

訪日外国人旅行消費額 上位5か国・地域

図: 訪日外国人旅行消費額 上位5か国・地域(出典: 観光庁)

インバウンド広告は、ターゲット国によって主要媒体もアカウント開設のハードルも大きく異なります。中国・台湾ならSNSと検索エンジン、欧米・米国ならGoogleとMetaの運用型広告、韓国ならNAVERというように、国ごとに「勝ち筋の媒体」が決まっているためです。自社が狙う国を先に定め、その国の媒体に強い代理店を選ぶという順番で検討すると、比較の軸がぶれません。

ターゲット市場 主要媒体 自社出稿のハードル 代理店選定で見るべき強み
中国・台湾 百度、微信(WeChat)、RED(小紅書)、Instagram 中国国内の媒体は現地法人・許認可が前提で自社出稿は困難 中国国内アカウントの保有、KOL(インフルエンサー)ネットワーク
欧米・米国 Google広告、Meta広告(Instagram/Facebook) 自社でも出稿は可能だが、英語圏の運用ノウハウと予算規模が必要 データ分析力、運用型広告のPDCA体制
韓国 NAVER(検索・ブログ・地図) NAVERは韓国の事業者登録証がないとアカウント開設できない NAVER検索行動への理解、韓国人ブロガーとの関係構築力

中国・台湾市場 ― 百度やRED(小紅書)への出稿に強い代理店

2026年4-6月期の訪日外国人旅行消費額は、国・地域別で台湾が2位、中国が3位に入っています。

出典: 観光庁

中国本土向けの情報発信では、Googleではなく百度での検索対策や、微信(WeChat)公式アカウントの運用、RED(小紅書)への口コミ投稿が中心になります。これらの媒体はいずれも中国国内の法人格や許認可が前提になっており、日本企業が単独でアカウントを開設して出稿することは基本的にできません。台湾市場はInstagramやLINE、YouTubeなど日本と共通する媒体も使えますが、繁体字での訴求文言や現地インフルエンサーとの関係性が成果を左右します。代理店を選ぶ際は、中国国内のアカウントを実際に保有しているか、KOL(インフルエンサー)ネットワークの規模と実績を確認することが判断材料になります。

欧米・米国市場 ― Google・Metaの運用型広告に強い代理店

同じ2026年4-6月期の消費額ランキングでは、米国が1位に立っています。

出典: 観光庁

欧米・米国市場は中国や韓国と違い、GoogleやMetaへの出稿自体は日本企業でも可能です。そのため代理店に求められる価値は「出稿できること」ではなく、英語圏向けのクリエイティブ制作力と、運用型広告特有のPDCA(配信結果を見ながら入札や配信先を調整し続ける運用サイクル)の精度になります。客単価が高い層を狙う高級宿泊施設や体験型コンテンツとの相性がよく、認知拡大から予約直前の比較検討層まで、フェーズに応じて広告フォーマットを切り替えられる代理店かどうかが分かれ目です。逆に言えば自社で運用を内製する選択肢も取りやすい市場のため、代理店に依頼する範囲を「戦略設計だけ」なのか「運用まで一任」なのか、事前に整理しておくと見積もり比較がしやすくなります。

韓国市場 ― NAVER単独特化の代理店が少ない実際の事情

2026年8月の訪日外客数は3,098,900人(前年同月比9.6%減)でしたが、韓国は台湾・香港などとともに、8月として過去最高を記録した14市場のひとつに入っています。

出典: JNTO(日本政府観光局)

一方で2026年4-6月期の消費額ランキングでは、韓国は4位です。

出典: 観光庁

人数は伸びていても消費額の順位は米国・台湾・中国の後という状況は、韓国人観光客に広告を届ける効率そのものを媒体選定の段階から見直す余地があることを示しています。その背景にあるのが、韓国人観光客の情報収集はGoogleに加えてNAVER(韓国国内で利用が多いとされる検索エンジン)も中心的に使われているという、他国とは一部異なる検索行動の違いです。ところがNAVERは韓国の事業者登録証がないとアカウント開設ができず、多くの総合型代理店は韓国を「その他アジア」の一部として扱い、Instagram広告など他国と共通の媒体で代替してしまいがちです。実際、韓国『単独』を専門に掲げる代理店は、1,400以上のインバウンドソリューションが掲載される訪日ラボ ソリューションストアの中でも希少な部類に入ります。

出典: 訪日ラボ ソリューションストアとは?

K-ASOKUはこの韓国市場に絞り、NAVER検索広告APIの実測データに基づいて戦略を設計しています。自社の店舗や施設がNAVER上でどう見えているか、契約前に確認したい場合は無料のNAVER検索診断で実画面のデータを確認できます。サービス内容の詳細はこちらからご覧いただけます。

目的別に見るインバウンド広告代理店の選び方

代理店選びでつまずきやすいのは、媒体や実績の比較から入ってしまうことです。インバウンド広告は「認知拡大」「来店・購買」「リピーター化」のどれを目的にするかで、向いている代理店のタイプも予算の配分先も変わります。まず自社が旅マエ・旅ナカ・旅アトのどこに課題を抱えているかを整理してから、代理店を絞り込むのが遠回りに見えて実は最短です。

目的(フェーズ) 主な広告・施策 向いている代理店タイプ
旅マエ:認知拡大 検索広告、SNS広告、動画広告、検索結果に残るブログ記事 データ・運用型、訪日メディア保有型
旅ナカ:来店・購買 位置情報連動広告、口コミ・レビュー媒体、多言語サイネージ 旅ナカ媒体特化型
旅アト:リピーター化 メルマガ、SNSフォロー施策、会員アプリ、レビュー返信 総合プロモーション型、CRM連携が可能な代理店

認知拡大・旅マエ集客が目的の場合

旅マエは、来日を検討中の海外の生活者に「候補として存在を知ってもらう」フェーズです。2026年8月の訪日外客数は3,098,900人(前年同月比9.6%減)でしたが、その中でも韓国・台湾・香港・米国など14市場は8月として過去最高を記録しています。

出典: JNTO(日本政府観光局)

全体の数字が伸び悩んでいても、国別に見ると検討熱が高まっている市場が数多く存在するということです。旅マエの認知拡大を目的にするなら、「訪日者数が多い国」ではなく「自社の業態と相性が良く、実際に伸びている国」を軸に代理店を選ぶ発想が有効です。

媒体面では、検索広告やSNS広告に加えて、ブログ記事のような検索結果に残るコンテンツ型施策も旅マエでは機能します。ただし検索エンジンは国によって異なり、たとえば韓国ではGoogleよりもNAVERが使われる場面が多いなど、国ごとの検索行動を理解した代理店かどうかが成果を左右します。自社が韓国をターゲットにする場合、NAVER上に情報が存在するかを契約前に確認しておくと判断しやすくなります。無料のNAVER検索診断で実画面のデータを見てから検討する方法もあります。

来店・購買につなげる旅ナカ販促が目的の場合

旅ナカは、すでに日本にいる旅行者を来店・購買に結びつけるフェーズです。ここで判断材料になるのは訪日者数よりも消費額です。観光庁の2026年4-6月期一次速報によると、訪日外国人旅行消費額は2兆5,096億円(前年同期比+0.2%)、一人当たり旅行支出は24.4万円(同+3.3%)でした。消費額の上位5か国・地域は[1]米国[2]台湾[3]中国[4]韓国[5]香港の順です。

出典: 観光庁

人数の多い国と消費額の高い国は同じとは限らないため、旅ナカ販促の予算は「人数」だけでなく「客単価」も見て配分を判断するのが実態に合っています。自社の客単価が高い業態であれば、消費額上位の国を優先ターゲットにする方が広告費に対する成果を見込みやすくなります。

旅ナカで使われる媒体は、位置情報連動広告や口コミ・レビューサイト、店頭の多言語サイネージなど、旅マエとは種類が異なります。この領域は国ごとに主要な口コミ媒体が違う点も見落とせません。たとえば韓国人観光客は来日中もNAVERで店舗の口コミを検索する傾向があり、旅マエで作った情報資産が旅ナカの来店判断にもそのまま使われる構造になっています。来店・購買を目的に代理店を探している場合は、相談する(無料)で自社の業態に合う進め方を確認するのも一つの方法です。

リピーター獲得・旅アトのファン化が目的の場合

旅アトは、帰国後の旅行者にもう一度日本を、あるいは自社の店舗を選んでもらうためのフェーズです。旅マエ・旅ナカに比べて公開されている一次データが限られるため、ここでは数値ではなく整理の視点で述べます。

旅アトの主な施策は、メルマガやSNSのフォロー施策、会員アプリでのクーポン配信、レビューへの返信対応などです。旅マエ・旅ナカを担当した代理店がそのままリピーター施策まで対応できるとは限らず、CRMやメール配信ツールとの連携実績があるかどうかを別軸で確認する必要があります。

見落とされがちなのが、旅マエで使ったコンテンツが旅アトでも参照されるという点です。帰国後に「また行きたい店」を検索した際、旅マエ段階で作成したブログ記事や口コミが検索結果に残っていれば、その情報がリピーター化のきっかけになり得ます。存続を保証できるものではありませんが、単発の広告出稿と違って検索結果に残り続けやすいという構造上の特徴は、旅アトを見据えた代理店選びの判断材料の一つになります。自社に合う進め方はサービス詳細で確認できます。

【比較表】ターゲット国・事業規模別インバウンド広告代理店の選び方

ここまで国別・目的別の選び方を見てきましたが、実際に代理店を絞り込む段階では「総合型か特化型か」「自社の事業規模でどちらが合うか」という2つの軸で整理すると判断しやすくなります。数多くの代理店を個別に比較する前に、まずこの粒度で自社の立ち位置を決めておくと、相談する候補を最短で絞り込めます。

総合型代理店と特定国特化型代理店の比較表

インバウンド広告代理店は、大きく「複数国・複数媒体を横断的に扱う総合型」と「特定の1〜2か国に絞った特化型」に分かれます。どちらが優れているという話ではなく、自社が今どのフェーズにいるかで向き不向きが変わります。

比較軸 総合型代理店 特定国特化型代理店
対応国・地域 中国・台湾・欧米・韓国など横断的に対応 特定の1〜2か国に特化(韓国のNAVER単独専業など)
強み 窓口を一本化でき、複数国の予算配分を代理店側に相談できる 対象国の検索行動やSNS文化を深く理解した施策設計ができる
見えにくいリスク 担当者1人あたりが扱う国が多く、1か国ごとの専門知見が薄くなりやすい 対応できる国・媒体が限られる
向いている事業規模 複数拠点・複数国をまとめて任せたい大規模事業者 まず1か国に絞って成果を検証したい中小規模事業者
費用の考え方 国ごとに媒体費・制作費が積み上がりやすい 対象国を絞る分、予算配分がシンプルになりやすい
出稿できる媒体の広さ 百度・Meta・Google・NAVERなど幅広く保有 対象国の媒体アカウント開設・運用に特化

自社の判断だけでは決めきれない場合、次の2つの項目で「どちらの型が向いているか」を具体的に整理します。

中小規模・単一国特化で始めたい場合の判断軸

広告予算や社内の販促担当人数が限られている中小規模の事業者は、最初から複数国に広告費を分散させるより、1か国に絞って成果を検証する進め方が現実的です。判断軸は主に3つあります。

1つ目は「自社の商品・立地が、どの国の観光客と相性が良いか」という発想です。中国語圏なら越境ECとの親和性、韓国であれば個人旅行比率の高さなど、国によって旅行スタイルが異なるため、闇雲に人数の多い国を選ぶと成果につながりにくくなります。

2つ目は「その国の媒体に自社単独で出稿できるか」です。百度やNAVERなど、現地の事業者登録がないとアカウント開設自体ができない媒体が存在するため、単一国特化であっても代理店への依頼が必要になるケースは珍しくありません。

3つ目は「契約前に自社の現状を数値で確認できるか」です。予算を投じる前に、自社の店舗や施設が対象国の検索でどう見えているかを実データで把握できる代理店であれば、投資判断の材料になります。K-ASOKUでは韓国市場に絞った無料のNAVER検索診断を用意しており、契約前に実画面のデータを確認したうえで検討できます。

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大規模・複数国展開を検討する場合の判断軸

複数拠点を持つ事業者や、すでに1か国での実績があり展開国を増やしたい事業者は、総合型代理店への依頼が選択肢に入りやすくなります。判断軸は次の3つです。

1つ目は「展開国ごとの成果を横並びで比較できる報告体制があるか」です。国が増えるほど媒体も指標もばらつくため、レポート形式が代理店ごとに異なると、社内での予算配分の意思決定が難しくなります。

2つ目は「消費額の大きい国から優先的に検討できているか」です。観光庁の2026年4-6月期1次速報では、訪日外国人旅行消費額の上位5か国・地域は米国・台湾・中国・韓国・香港の順となっており、一人当たり旅行支出は24.4万円(前年同期比+3.3%)でした。旅行者数の多さだけでなく、消費額の規模も踏まえて優先順位をつける必要があります。

出典: 観光庁

3つ目は「各国内で本当に専門性を持った担当がついているか」です。JNTOの発表では2026年8月として過去最高の訪日者数を記録した市場が韓国・台湾・香港・マレーシア・インドネシア・インド・米国・メキシコ・フランス・イタリア・スペイン・ロシア・北欧地域・中東地域の14市場に上るなど、伸びている国が特定の1〜2か国に偏らなくなってきています。

出典: JNTO(日本政府観光局)

そのため、総合型代理店に複数国をまとめて依頼する場合でも、国ごとの実務は特化型の知見を持つパートナーと連携しているかを確認すると、施策の解像度が下がりにくくなります。自社の展開国リストと照らし合わせて相談したい場合は、サービス詳細から対応範囲を確認できます。

なぜ韓国インバウンドは専門特化の代理店に相談すべきか

訪日客数が過去最高を記録した市場の広がり

図: 訪日客数が過去最高を記録した市場の広がり(出典: JNTO(日本政府観光局))

ここまで、総合型代理店に複数国をまとめて依頼する場合の考え方を整理してきました。一方で、韓国だけは事情が少し異なります。中国や欧米向けの施策をそのまま横展開しても、韓国人観光客には届きにくいという構造上の壁があるためです。ターゲット国に韓国が含まれる場合は、総合型の中に韓国の実務知見を持つチームがあるか、あるいは韓国単独に強いパートナーと別途連携するかを、早い段階で見極める必要があります。

韓国人観光客の検索行動はGoogleと異なるという発想

インバウンド広告の設計では「まずGoogleとMetaで認知を取る」という発想が土台になりがちです。実際、欧米・米国市場ではこの前提がおおむね成立します。ところが韓国人観光客に対しては、この前提そのものが崩れます。

韓国国内では、Googleに加えて国内ポータルのNAVERも検索エンジンとして広く使われています。NAVERの利用者は多いとされており、韓国人観光客の来日検討段階の情報収集も、その多くがNAVER上で行われている可能性があります。日本のグルメサイトや自社サイトがGoogleの検索結果で上位に出ていても、韓国人観光客の目にはほとんど触れていない、という状態が起こり得るわけです。

この違いは、中国市場で百度やRED(小紅書)への対応が必須になるのと構造は同じです。ただし韓国の場合、「NAVER対応が必要」という認識自体が日本国内でまだ広く浸透していません。自社サイトのSEOやGoogle広告に投資しても、韓国人観光客の動線には反映されにくいという、見えないギャップが生まれやすい領域です。

ターゲット国 来日検討段階で使われる主要な検索・情報収集の場
韓国 NAVER(検索・NAVERブログ・NAVER地図)
中国 百度、RED(小紅書)、微信(WeChat)
欧米・米国 Google、Meta(Instagram/Facebook)

代理店を選ぶ際は、「Google・Meta広告の運用実績」だけでなく、「韓国人観光客が実際に見ている媒体にどう出稿するか」という視点で確認すると、施策のズレを防ぎやすくなります。

韓国『単独』専門の代理店が数多くの中でも希少な理由

インバウンド広告代理店は数多く存在し、複数国をまとめて扱う総合型も少なくありません。ところが、韓国だけを単独で専門に扱う代理店となると、その数は一気に絞られます。訪日ラボのSOLストア調べでは、掲載されている1,400を超えるソリューションの中でも、韓国単独に特化した事業者は希少な部類に入るとされています。

背景には、韓国向け施策特有の参入障壁があります。NAVERブログでの発信力を持つには、現地の韓国人ブロガーとのネットワークが不可欠ですが、これは短期間で構築できるものではありません。また、NAVER上での投稿は検索結果に情報として残り続ける性質を持つため、フロー型の広告出稿とは運用のノウハウが異なります(掲載後の存続を保証するものではありません)。中国・欧米まで含めた総合対応を掲げる代理店ほど、韓国単独の実務にまでリソースを割きにくいという事情もあります。

K-ASOKUは、この韓国単独領域に絞って事業を展開しており、韓国人ブロガーネットワークを活用したNAVERブログ施策「NAVER JACK」を軸に、現地の検索データにもとづいた戦略設計を行っています。AIによる推定検索ボリュームではなく、NAVER検索広告APIで取得した実測値を使う点も、韓国単独特化ならではの精度につながっています。総合型代理店に韓国も含めて依頼する場合でも、実務を担うパートナーが同様の専門性を持っているかは、確認しておきたいポイントです。

より詳しい対応範囲や強みについては、サービス詳細で確認できます。

無料診断で自社の現状データを確認してから判断できる

代理店選びで悩ましいのは、「契約する前に、自社が韓国人観光客の目にどう映っているか」を確認する手段が少ないことです。多くの提案は一般論としての市場規模や成功事例の紹介にとどまり、自社の実データにもとづいた判断材料までは得られないケースが目立ちます。

この課題に対し、K-ASOKUではNAVER上での自社の現状を、契約前に無料で確認できる診断を用意しています。実際のNAVER検索結果・NAVER地図の掲載状況を画面ベースで提示するため、「韓国人観光客からどう見えているか」を推定ではなく実際の画面で把握したうえで、代理店に依頼するかどうかを判断できます。

韓国をターゲット国の候補に入れている場合は、広告予算を投じる前に、まず自社の現状を確認しておくと、その後の代理店比較や予算配分の判断がしやすくなります。診断結果を見たうえで、他の代理店と比較検討することも可能です。

無料のNAVER検索診断はこちらから申し込めます。韓国を含めた国別の施策について具体的に相談したい場合は、無料相談も利用できます。

まとめ ― 自社の目的と国別ターゲットを整理してから代理店を選ぶ

ここまで、インバウンド広告代理店の選び方を種類・国別・目的別に整理してきました。最後に判断の順番を振り返ります。

まず押さえておきたいのは、2026年の市場構造がすでに変わっているという点です。2026年4-6月期の訪日外国人旅行消費額は2兆5,096億円で前年同期比+0.2%、一人当たり旅行支出は24.4万円(同+3.3%)でした。消費額の上位は米国・台湾・中国・韓国・香港の順で、人数の多さと消費額の高さが一致しない国も含まれています。

出典: 観光庁

「訪日客数が多い国だから広告費を張る」という発想だけでは、成果につながりにくくなっています。だからこそ本記事のように、まず自社の目的(認知拡大・来店促進・リピーター獲得)を決め、次にターゲット国を絞り、最後にその国・目的に強い代理店を選ぶという順番が欠かせません。

特に韓国市場は、他の国とは事情が異なります。韓国人観光客の多くはGoogleに加えてNAVERも使って情報を探すため、Google広告やSNS広告だけでは接点を作れないまま候補から外れてしまうケースがあります。それにもかかわらず、韓国『単独』を専門に扱う代理店は数多くの選択肢の中でも希少です。

もし自社が韓国インバウンドをターゲットに含めるなら、まず自社の店舗がNAVER上でどう見えているかを確認するところから始められます。K-ASOKUでは、契約前に現状データを実画面で確認できる無料のNAVER検索診断を用意しています。

自社の目的と国別ターゲットさえ整理できていれば、数ある代理店の中から迷わず相談先を選べるはずです。

本記事の引用・転載は、出典(社名と記事URL)明記のうえ歓迎します

よくある質問

Q. インバウンド広告は自社で出稿できますか?
A. Google・Metaなど欧米系は比較的出稿しやすい一方、百度やNAVERなど現地の事業者登録が必要な媒体もあり、自社単独では出稿できないケースがあります。
Q. 予算はいくらから相談できますか?
A. 代理店や国・媒体により幅があり、少額から相談できる場合もあります。まずは目的と予算感を伝え、複数社から見積もりを取って比較するのがおすすめです。
Q. どの国をターゲットにすべきか判断できません
A. 訪日人数だけでなく消費額や自社の客単価との相性も判断材料になります。無料診断など現状データを確認できるサービスを活用すると判断しやすくなります。

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山口 雄貴

株式会社K-ASOKU 代表取締役

山口 雄貴

韓国マーケティングの実務家。NAVER SEO・韓国KOLキャスティングを中心に、飲食店・宿泊・消費財メーカーの韓国向け集客を支援。実測データに基づく施策設計を信条とする。

本記事は、当社が実施したNAVER実画面の調査データをもとに山口 雄貴が執筆・監修しています。 記載内容は公開時点の情報です。

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